インプレス総合研究所が2020年5月に動画配信ビジネスの調査をしたところ、「動画共有サービス」「無料の動画配信サービス」「有料の動画配信サービス」などの、”インターネットを利用した動画サービスの利用者”が増加していることが分かりました。
折しも新型コロナウイルスによる全国的な自粛真っ最中の調査時期という事もあり、自宅で動画でも観て過ごそうという人の増加に拍車がかかった結果になっていますが、「テレビ番組を観て過ごす人」よりも「無料動画を観て過ごす人」の方が多かった点も注目に値します。
インプレス総合研究所さんの調査結果を参照させて頂きながら、有料動画配信サービスの人気動向を掘り下げてみたいと思います。
◆インプレス総合研究所さんの調査結果はこちら
有料動画配信サービスの利用状況
有料動画配信サービスの利用状況を見てみますと、昨年の利用率から4.3%アップした21.5%の利用率となっています。
まだまだテレビ視聴や無料動画サービスには及ばないものの、ほんの少しの出費でいつでも好きな時に好きな動画が観られる(Video On Demand)スタイルが少しずつ浸透してきた様に思えます。
特に、動画見放題サービスやその場で自由に作品を選んでみられるという環境は、コロナ禍で自宅に足止めされている家族全員が楽しめるサービスになりますので、そういった点でも魅力が増したのかも知れません。
人気の動画ジャンル
どういった番組、動画がよく見られているのでしょうか。
無料動画配信サービスでは「日本のドラマ」や「バラエティ」が人気ですね。TVer、GYAO!、Abemaなどの無料動画配信サービスで多く見られる番組と思われますが、これらのジャンルは有料動画配信サービスでもそこそこの人気を有しており、動画視聴者の核となるジャンルとも言えるかも知れません。
一方、有料動画配信サービスを見ますと、邦画・洋画問わず「映画」、それからやはり「アニメ」でしょうか。
映画は無料動画配信サービスではあまり視聴できないジャンルですので、有料動画配信サービスに偏るのもうなずけます。「アニメ」はGYAO!やAmebaでも多く展開されていますが、有料コンテンツとして販売されるケースも多いため、有料課金して視聴するケースも増えますね。
「音楽」は圧倒的に無料動画共有サービスで多く視聴されており、YouTubeでプロモーションビデオやミュージックビデオを展開するフォーマットが完全に定着している様に見えます。
人気の有料動画配信サービス
最後に、有料動画配信サービスの利用状況を見てみます。
完全に一強状態ですね。Amazonプライムビデオの利用者が半数以上を占めており、昨年比でも増加しています。やはり月額500円(年間契約ですと408円)というリーズナブルな価格設定と、動画以外のAmazonプライム会員の付加価値による訴求効果によるものと思われます。
◆参照:Amazonプライム会員のメリット
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子育て世帯にはAmazonプライムが救世主となる!?
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Amazonプライムビデオ以下、NETFLIX、hulu、U-NEXTと続きますが、上位に来ている動画配信サービスはいずれも特徴や強みを持っています。
NETFLIXならオリジナル作品に強く、huluは海外ドラマや日本テレビ系番組が充実しています。
U-NEXTは新作の速さ、独占番組の拡充、アダルトや雑誌閲覧サービスなど幅広く展開しています。
はじめての動画配信サービス加入はリーズナブルなAmazonプライムビデオでスタートし、徐々に自分の嗜好やニーズを自覚していきます。
並行して先の様な各配信サービス会社の特徴が消費者に浸透していくと、Amazonプライムビデオ以外のサービスへの加入も視野に入ってくるのではないでしょうか。
NETFLIXとU-NEXT、dアニメストアなどが昨年よりも利用者を増やしている点をみてもそういった傾向を感じています。
動画配信サービスの人気調査結果 まとめ
日本国内の動画配信サービスはかなり増えて乱立の様相を呈してきました。
テレビ視聴よりもネットワーク動画サービスの時代へ
無料系はドラマやバラエティ、有料系は映画、ドラマ、アニメが人気
はじめての人にはAmazonプライムビデオが優しくて便利
動画配信サービスに慣れてくるとNETFLIXやU-NEXT、huluなども

生活スタイルや好みに合わせて自分で選択していく時代ですね。