キャプチャーボード(キャプチャーカード)というパーツをご存知でしょうか?
映像・音声信号をパソコンなどに取り込むための機器の事を言います。
タイトルにあります「HDMIキャプチャーボード」とはHDMIケーブルの映像・音声信号をパソコンに取り込んでくれる(録画してくれる)機器という事になります。
HDMIキャプチャーボードを導入すると色々な事が出来る様になります。
ゲーム映像や動画配信サービスの映像をパソコンに表示する事も出来ます。そんな便利なパーツをご紹介します。
この記事で分かる事
- VODって録画できるの? HDMIキャプチャーボードで出来る事
- HDMIキャプチャーボードの種類
- 2021年版 最新おすすめHDMIキャプチャーボード
- HDCPって何? HDCPを回避(解除)する方法
目次
HDMIキャプチャーボードで何ができるの?
HDMIキャプチャーボードを導入する事でどんなことが出来るようになるのでしょうか?
具体的な例を挙げながら見ていきましょう。
- HDMI信号の映像・音声を録画・録音できる
- 簡単に配信できる
- テレビ以外のモニターでもゲームやVODを表示できる
- パソコンゲームを録画できる
HDMI信号の映像・音声を録画・録音できる
最近市販されている映像機器のほとんどはHDMI信号で映像や音声を伝送しています。テレビはもちろんの事、ブルーレイプレーヤーやレコーダー、PlayStationなどのゲーム機器、ビデオカメラやパソコンもHDMIで接続する事がほとんどです。
HDMIによる伝送は、それだけ汎用的かつ高品質だからですが、ブルーレイレコーダーにHDMI入力端子=HDMI信号を録画する機能が付いていない事にお気づきでしょうか?
パソコンに付いているHDMI端子は出力用のものばかりで、入力用HDMI端子の付いたパソコンを簡単に見つけられない現実にお気づきでしょうか?
HDMI入力端子を録画機器に付けない大きな理由は、「HDMI品質の高画質を録画・録音されると、パッケージ商品(ブルーレイなど)や配信商品が売れなくなるから」というわけです。
でも録画したいですよね?
パソコン画面に映したいですよね?
そこでHDMIキャプチャーボードです。HDMIの映像・音声を録画・録音する事が出来ます。
HDCPに注意
HDMI信号は高品質だけに、通常は著作権保護のためにHDCPなどのコピーガードで守られています。
そういった場合、HDCPに対応した出力機器と入力機器の組み合わせでないと、録画・録音どころか画面に映像を映す事すらできません。
どうしてもHDCPに対応していない機器同士でHDCPで守られたHDMI信号を表示したい場合は、HDCPを回避(解除)する必要があります。
HDCPの解除自体は違法ではありませんので、HDCPを解除すればHDCP非対応の機器でも画面に出力することが出来ます。
ただし、HDCPを解除して複製することは日本国内では違法ですので、絶対にやめましょう。
簡単に配信できる
WEBカメラやマイクなどを利用しても実況中継をする事は可能ですが、WEBカメラの画質は決して褒められたものではありませんし、被写体の移動を追いかけるなど利便性でもビデオカメラには勝てません。
HDMIキャプチャーボードを用意すれば、ビデオカメラで撮影した映像をHDMI経由でそのままパソコンに取り込めますので、動きのある映像や臨場感のある音声をそのまますぐに配信に利用できます。
ゲームのプレイ画面もHDMIキャプチャーボードに接続すればそのまますぐにパソコンに取り込んで配信できます。ゲームを実況している自分をWEBカメラで撮影し、キャプチャーボードで取り込んだゲーム画面の端に表示させながら配信できるキャプチャーボードもありますので、様々な配信ニーズに対応できます。
パススルー機能を利用しよう
ゲームの配信を検討している方は「パススルー機能」の付いたキャプチャーボードを検討しましょう。
HDMIキャプチャーボードはどんなに高性能な製品でもパソコンに取り込む際に”遅延”が発生しがちです。実際のゲーム機から直接テレビに繋いだ画面よりも、HDMIキャプチャーボード経由でパソコン画面に出力された画面の方が少し遅れてしまうんです。この遅延はゲームをプレイする際や実況をする際には致命的になります。
そこで、「パススルー機能」を使用する事で、ゲームからのHDMI信号は遅延なくテレビにそのまま表示させゲームを操作し、遅延をパソコンに取り込む映像に限定させることが出来ます。
録画データ自体がどれだけ遅延していても、ゲームのプレイや録画データ自体には全く影響がありませんからね。
ただし、パススルー機能を使う場合は、パススルーした映像を表示するモニター(テレビ)と、キャプチャーしている画面を表示するモニターの2つのモニターが必要になります。
テレビ以外のモニターでもゲームやVODを表示できる
HDMIのスプリッター(分配器)を利用すれば、複数の機器をテレビに接続する事が可能となります。しかし(当然ですが)セレクターで選んだ機器の信号だけがテレビに表示されます。
これって意外と不便だと思いませんか?
例えばYouTubeのゲーム実況を見たり、WEBで攻略法を調べながら実際にゲームをプレイしてみたい時。
あるいは
動画配信サービス(VOD)を視聴しながら、パソコンでチャットやzoom、オンライン会議(仕事しなさい(笑))をしたい時。
こんな時、ノートパソコンとテレビを用意すればいいのですが、狭い部屋だと邪魔なんですよね。
そこで、パソコンにHDMIキャプチャーボードを接続してゲームやVODを表示させながら、パソコンのアプリケーション作業をこなす。こういった処理が出来る様になるんです。

動画配信サービスのキャプチャー
HDCPを解除できるHDMIキャプチャーボードにFireTVを接続する事で、動画配信サービスなどをパソコンに表示させることが出来ます。
これはかなり便利な使い方だと思います。
このまま録画ソフトを利用すれば録画も出来てしまいますが、各動画配信サービスの利用規約違反にあたる可能性がありますし、この行為は「HDCPを解除して複製している」とも解釈できますので、日本国内では録画に利用するのは止めましょう。
パソコンゲームを録画出来る
HDCPによるガードがかかっていない、あるいはHDCP対応キャプチャーボードである事が条件ですが、パソコンのゲームをHDMIキャプチャーボードで録画する事も可能です。
この場合、録画にパソコンが不要な”スタンドアローンタイプ”の製品か、もう一台キャプチャー用のパソコンが必要ですが、パソコンのモニターを録画する事が出来ます。
もちろんゲームをしているパソコンでそのまま録画する事も可能ですが、パソコンの負荷が上がり、ゲームや録画に影響が出てしまっては本末転倒です。
そこで録画だけをHDMIキャプチャーボードに任せるというのも便利な利用方法です。
HDMIキャプチャーボードの種類
HDMIキャプチャーボードで出来ることが分かったら、実際に行動あるのみ!ですが、HDMIキャプチャーボードの種類を理解しておきましょう。
HDMIキャプチャーボードは接続方法の違いとエンコード方法の違いによってタイプが分けられます。
USB外付けタイプ
USB接続による外付けタイプのHDMIキャプチャーボードです。
USB外付けタイプのメリット
- ノートパソコンやスリムタイプのデスクトップでも利用できる
- 製品の種類が豊富
- 接続が簡単
USB外付けタイプのデメリット
- 内蔵タイプより遅延が大きくなりやすい
- 電源が必要
- 場所をとる
USB外付けタイプを利用する場合は、出来るだけUSB3.0以上の製品を選びましょう。

「ソフトウェアタイプ&外付けタイプのHDMIキャプチャーボードを使用するならUSB3.0以上で!」と覚えましょう。
内蔵タイプ
デスクトップパソコンに組み込むタイプの製品です。PCI-Express接続の製品が主流です。
内蔵タイプのメリット
- 外付けタイプよりも遅延が少ない事が多い
- ハイエンド製品の種類が多い
- 電源が不要(パソコンから供給)
内蔵タイプのデメリット
- 接続できるパソコンを選ぶ
- 取り付けの知識が必要
- 廉価製品の種類が少ない

パソコンや動画の知識に自信がない人は、外付けの製品から始めてみる事をおすすめします。
HDMIキャプチャーボードは安価なものから数万円するものまでピンキリです。
また、動画やパソコンに詳しくない人が、いきなりハイスペックなHDMIキャプチャーボードを買い、使いこなせないまま「HDMIキャプチャーってつまんない」と思ってしまっては本末転倒です。
まずはリーズナブルな製品でご自身の目的を満たすべく遊んでみてください。色々試していく中で、遅延や画質、使い勝手など不満が見えてきます。
不満が見えてきた所で次の製品を選ぶ方がリスクが少なくおすすめです。
ソフトウェアエンコードタイプ
エンコードとは映像や音声を変換・圧縮する事ですが、HDMIキャプチャーボードで録画・録音する場合も、特定のファイル形式にエンコードする必要があります。
そのエンコードをパソコンに任せる機器を「ソフトウェアエンコード」、キャプチャーボード自体がエンコードする機器を「ハードウェアエンコード」タイプと言います。
ソフトウェアエンコードタイプのメリット
- 遅延が少ない(実況に向いている)
- エンコードするソフトで画質・音質を多少コントロールできる
ソフトウェアエンコードタイプのデメリット
- パソコンへの負荷が高い(ハイスペックPCが必要)
製品によっては非圧縮や圧縮率の高くない高画質なコーデックでキャプチャーできる製品があります。
そういった製品を使用すれば、キャプチャーするソフトウェアでエンコードをする際にコーデックや画質をコントロールできます。

よくある事例として、色深度を落としてしまう事で表現できる色の階調を制限してしまい、仮に非圧縮でキャプチャーしてもバンディングと言われる荒いグラデーションが出てしまう製品も見られます。
最終的には製品を使ってみないと分からないというお話になってしまいますが、ソフトウェアエンコードタイプの製品は必ずしも高画質をコントロールできるというわけでもないという点は覚えておきましょう。
ハードウェアエンコードタイプ
ハードウェアエンコードタイプのメリット
- パソコンへの負荷が小さい(低スペックPCでも対応できる)
- パソコン不要で録画出来る製品もある
ハードウェアエンコードタイプのデメリット
- 遅延が大きくなりやすい
- 画質・音質のコントロールがほとんどできない
その他 気を付けること
上で見ました通り、接続タイプやエンコードタイプの他に、以下の点にも注目すると、より目的にあった製品を選べる様になります。
解像度
映像の解像度とはその映像をどれくらい細かく表現しているかを表す項目で、フルHDや2K、4Kなどで表現されます。また、1920ピクセル×1080ピクセルの様に、ピクセル数で表現される事もあります。
いずれにしても、一般的には数字が大きいほど高画質です。

録画保存をメイン用途に考えている場合はパススルーの解像度よりもキャプチャーの解像度を重視します。
最低でもフルHD(1920×1080)以上の録画に対応した製品を選びましょう。
フレームレート
フレームレートとは、1秒間に何枚の画像を使用してその映像を表現しているかを表します。「fps(Frames Per Second)]」という値で表現されます。
一般的に、fpsの値が大きいほど滑らかな映像表現を可能とします。
どんなソフトに対応しているか
HDMIキャプチャーボードをパソコンに接続した後は、パソコンで映像を映したり、録画・配信する事になりますが、対応したソフトがないとキャプチャーした映像を表示する事すらできません。
ですので、HDMIキャプチャーボードが使いやすい定番ソフトに対応していないと、表示するだけでも一苦労という事にもなりかねませんので気をつけましょう。
表示・録画ソフトがHDMIキャプチャーボードに付属している場合もありますが、もし付属していない場合は以下の様なソフトに対応していると安心です。
キャプチャー用定番ソフト
- Bandicam
:有料ソフトですが、10年以上歴史のある超定番ソフト。
- ロイロ ゲーム レコーダー:無料ソフトなのに簡単に使いこなせます。
- OBS Studio:配信系の定番ソフト。こちらも無料で利用できます。
- アマレコTV:日本が誇るソフト。有料コーデックを購入する必要がある。
圧縮コーデック
コーデックとは、映像や音声を圧縮するためのアルゴリズム(ルールみたいなものです)を指しますが、このコーデックによって画質・音質やファイルサイズが変わります。
同程度の画質なのにmpeg2というコーデックよりもH.264/AVCというコーデックだとファイルサイズが半分になったりしますので、大量の動画を扱う上ではバカに出来ません。
ソフトウェアタイプのHDMIキャプチャーボードであれば、パソコン側の録画ソフトである程度コーデックを指定できますが、ハードウェアエンコードタイプのボードの場合はその製品のコーデックしか利用できません。
ですので、ハードウェアエンコードタイプのHDMIキャプチャーボードを選ぶ場合は、どんなコーデックを利用できるか、(欲を言えば”ビットレートも自由に設定できるか”も)を確認するようにしましょう。
2021年2月現在の主流はH.264/AVCですので、最低でもこのコーデックを利用できる製品を選びましょう。
以下のページで動画の基礎を解説していますので、興味があれば一度読んでみてください。
4K/8Kだけでなく動画の基礎も解説中
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-
4K放送/8K放送って結局何がいいの?を解説します
続きを見る
録画時のスペック
解像度/フレームレート/コーデック/ビットレートなど、HDMIキャプチャーボードのスペックに十分注意していても、キャプチャー時(録画時・配信時)にそのスペックを全て活かせるかどうかは、パソコン側のスペックにも依存してしまいます。
「4K/120fpsのHDMIキャプチャーボードを買った!」と喜んでも、ソフトウェアエンコードタイプのHDMIキャプチャーボードで4K/120fpsでエンコードしながら録画・配信するには相応のスペックのパソコンが必要になります。
最近ではハードウェアエンコードタイプのHDMIキャプチャーボードもある程度のパソコンのスペックを要求し始めていますが、ソフトウェアエンコードタイプの製品を選ぶ際は、パソコンのスペックとのバランスにも注意を払いましょう。
2021年版 タイプ別おすすめ製品
では目的別におすすめのHDMIキャプチャーボードをご紹介します。
HDMIキャプチャーボードは歴史もあって数多くの製品が世に出ていますが、どの製品もパソコンの環境やOSに依存して挙動が変わりますので、評価が分かれがちです。
HDMIキャプチャーボードを選ぶ際には、ユーザー使用実績があり、OSのアップデートに現役で対応しているメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
改めて以下の表を参考にしながら選んでいきましょう。
HDMIキャプチャーボードタイプ別比較表
外付け | 内蔵 | ソフトウェアタイプ | ハードウェアタイプ | |
遅延 | 大きい | 小さい | 小さい | 大きい |
パソコンスペック | 気楽 | シビア | シビア | 気楽 |
ご注意
製品の仕様やバージョン、OSのバージョンなどによって挙動が変わる場合があります。なるべく多くの情報を基にご紹介していますが、自己責任で購入をご検討ください。
まずはHDMIキャプチャーボードで遊んでみたい人
HDMIキャプチャーボードがどんなものか理解したし、一度使ってみようかなという方。
あるいは画質や音質へのこだわりはなく、まずは映像を収録したり配信出来たらいいなという方におすすめの商品をご紹介。
BOSTIN HDMIキャプチャーボード
外付け&ソフトウェアエンコードタイプの製品で、”リーズナブルな価格&そこそこな品質”を求めるならコレ。
BOSTIN HDMIキャプチャーボードのいいところ
- Windows、Mac、Linux(Ubuntu)に対応する汎用性
- 4K/30Pパススルーに対応
- 1920×1080/60P録画に対応
- HDMI2.0ケーブルやType-Cケーブルも同梱!
- HDCP対応
BOSTIN HDMIキャプチャーボードの残念なところ
- ニンテンドースイッチでノイズが発生しやすい
- キャプチャー・配信ソフトが付属しない
Basicolor321
外付け&ソフトウェアエンコードタイプの製品で、最近かなり安くなってきました。
同タイプの「HSV321」や「ARX321」という製品もありますが、中身はすべて同じという噂です。
Basicolor321のいいところ
- Windows、Mac、Linux(Ubuntu)に対応する汎用性
- 1920×1080/60P録画に対応
- HDCP対応
Basicolor321の残念なところ
- キャプチャー・配信ソフトが付属しない
- 画質は値段相応という評価も
ZasLuke キャプチャーボード
外付け&ソフトウェアエンコードタイプの製品で、とにかく価格がリーズナブルで初心者のお試し1台目として人気が高いです。
ZasLuke キャプチャーボードのいいところ
- Windows、Mac、Linuxに対応する汎用性
- 4K/60Pパススルーに対応
- 1920×1080/60P録画に対応
- HDCP無反応
ZasLuke キャプチャーボードの残念なところ
- キャプチャー・配信ソフトが付属しない
- 画質は値段相応
- 4K/60Pパススルーは必要環境条件がシビアとの評判
- 1920×1080/60P録画も必要環境条件がシビアとの評判

ZasLuke製のキャプチャーボードの筐体や各ポートの位置が酷似しており、ブランド名や製品名だけが異なる製品が数多く販売されていますが、おそらく中身は同一製品じゃないかなと予想しています。
YOYO ezcap294
PCI-Express×1接続による内蔵タイプで、H.264コーデックによるハードウェアエンコード圧縮をしてくれます。

たしかに謎の製品に違いはなく、パソコンへの組み込み等のハードルは高いのですが、価格の安さ、サードパーティー製のキャプチャーソフトへの対応の多さなど、試してみる価値が大いにある製品でしたので、リストアップさせてもらいました!
YOYO ezcap294のいいところ
- 1920×1080/60P録画に対応
- 内蔵/ハードウェアエンコードタイプの中ではリーズナブル
- ロープロファイル対応
- HDCP無反応との噂も?
YOYO ezcap294の残念なところ
- サポートはあまり期待できない(ほとんど自己責任)
- Mac、Linux非対応(Linuxは非公式対応)
- 録画・配信ソフトが付属しない
- HDCP反応?
パソコンを使わずキャプチャーしたい人
HDMIキャプチャーボードだけで録画出来る製品もあります。
こういった製品を利用すればパソコンの画面を録画したり、パソコンなしでゲームなどを録画する事も可能になります。
AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUS(AVT-C878 PLUS)
HDMIキャプチャーボードメーカーでは有名なAVerMedia製の製品です。
Live Gamer Portable 2 PLUS(ライブゲーマー ポータブル 2 Plus)というこちらの製品は、パソコンでキャプチャーする事も出来ますし、パソコンを使用せずにも録画する事も出来る万能な製品です。
AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSのいいところ
- パソコンキャプチャー&パソコンなしmicroSDカードキャプチャーの両対応
- Windows、Macに対応
- 4K/60fpsパススルーに対応
- 1920×1080/60fps録画に対応
- ヘッドセットを接続できる
- 録画・配信ソフト、簡易編集ソフト付属
AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSの残念なところ
- Linux非対応
- USB2.0接続
- ハードウェアエンコードながら、パソコンのスペックもある程度必要(PCモード)
- HDCPに反応
I-O DATA GV-HDREC
国内メーカーであるI-O DATA製のGV-HDRECもパソコン不要で録画が可能です。
ただし、パソコンに接続して利用することが出来ませんので、単純な録画&再生機器と考えましょう。
※録画したデータをパソコンで扱う事は可能です。
I-O DATA GV-HDRECのいいところ
- パソコンなしでSDカードやUSBメディア(HDDなど)にキャプチャー可能
- 1920×1080/60P録画に対応
- ヘッドセットを接続できる(アフレコ機能付き)
- 編集機能付き
- コンポジット(赤・白・黄色ケーブル)入力も録画可能
I-O DATA GV-HDRECの残念なところ
- パソコンでキャプチャーできない
- コンポジット入力の画面比が16:9固定
- ビットレート設定が少ない
- HDCPに反応
Elgato 4K60 S+
HDMIキャプチャーボードではこちらも有名なドイツ発のメーカーElgato製の4K60 S+です。
この製品もパソコンでのキャプチャーにも単体でのキャプチャーにも対応している優れた製品です。
Elgato 4K60 S+のいいところ
- パソコンキャプチャー&パソコンなしSDカード/USBメディア(HDDなど)キャプチャーの両対応
- 4K/60fps/HDRパススルーに対応
- 4K/60fps/HDR録画に対応
- H.265/HEVCに対応(HDR)
- ヘッドセットを接続できる
- Flashback録画機能(後からさかのぼって録画する機能)対応
- キャプチャーソフト付属(HPからDL)
Elgato 4K60 S+の残念なところ
- Mac、Linuxに非対応
- 配信ソフトが付属しない(サードパーティーソフトには対応している)
- HDCPに反応
2021年版 売れ筋商品を狙う人
2021年現在で一番売れているHDMIキャプチャーボードのスペックは、SDR(Standard Dynamic Range)/1080/60fps録画でしょう。
そのスペックの中で比較的人気の高い製品をいくつかご紹介します。
I-O DATA GV-USB3/HD
先ほどのGV-HDRECとは違い、こちらはパソコンに取り込むタイプの製品です。
外付け&ソフトウェアエンコードタイプの製品ですので、導入も簡単です。
I-O DATA GV-USB3/HDのいいところ
- 1920×1080/60P録画に対応
- 録画・編集ソフト付き
- キャプチャー映像とWebカメラの映像をピクチャーインピクチャー出来る。
I-O DATA GV-USB3/HDの残念なところ
- Mac、Linuxに非対応
- USB2.0では動作しない
- HDCPに反応
Elgato HD60 S
Elgato製の1080/60P対応キャプチャーボードHD60 Sです。
外付け&ソフトウェアエンコードタイプの製品で、利用ユーザーも多く人気も高いですね。
似た製品にHD60 S+というものがありますが、こちらは4Kパススルー機能と、HDR対応となっています。
HDRと4Kパススルーが不要な方はHD60 Sで十分でしょう。
Elgato HD60 Sのいいところ
- 1920×1080/60P録画に対応
- WindowsとMacに対応(Linuxは非対応)
- Flashback録画機能(後からさかのぼって録画する機能)対応
- ストリームコマンド対応(キャプチャー画面に文字や他の映像をインサート等する機能)
- キャプチャーソフト付属(HPからDL)
Elgato HD60 Sの残念なところ
- Linuxは非対応
- 配信ソフトは付属しない
- HDCPに反応
AVerMedia Live Gamer EXTREME 2 GC550 PLUS
AVerMedia製の外付け&ソフトウェアエンコードタイプ製品Live Gamer EXTREME( GC550 PLUS)です。
先ほどのLive Gamer Portable 2 PLUSとは違い、こちらの製品は必ずパソコンに接続する必要があります。
AVerMedia Live Gamer EXTREME 2(GC550 PLUS)のいいところ
- 4K/60fpsパススルーに対応
- 1920×1080/60fps録画に対応
- 録画・配信ソフト、簡易編集ソフト付属
- キャプチャー映像とWebカメラなどの映像をピクチャーインピクチャーで表示出来る。
AVerMedia Live Gamer EXTREME 2(GC550 PLUS)の残念なところ
- Mac、Linuxに非対応
- USB2.0では動作しない
- HDCPに反応
HDMI以外のアナログソースもキャプチャーしたい人
DVDやブルーレイ辺りからHDMI端子が搭載され始めましたが、それ以前のビデオデッキや初期のDVDなどはコンポジット(赤白黄色ケーブルなど)出力が一般的でした。
そういったテープをパソコンに取り込みたい場合はHDMI以外の入力にも対応している製品を選ぶと便利です。

I-O DATA GV-HDREC
先ほどパソコン不要の製品紹介にも登場しました本機器は、コンポジット入力にも対応しています。
昔取ったビデオテープをパソコンに取り込みたい方は検討してみてはいかがでしょうか?
I-O DATA GV-HDRECのいいところ
- パソコンなしでSDカードやUSBメディア(HDDなど)にキャプチャー可能
- 1920×1080/60P録画に対応
- ヘッドセットを接続できる(アフレコ機能付き)
- 編集機能付き
- コンポジット(赤・白・黄色ケーブル)入力も録画可能
I-O DATA GV-HDRECの残念なところ
- パソコンでキャプチャーできない
- コンポジット入力の画面比が16:9固定
- ビットレート設定が少ない
- HDCPに反応
Blackmagic Design Intensity Pro 4K
映像の仕事に従事されている方にはおなじみのBlackmagic Designの製品です。
Blackmagic Designはオーストラリアに本社を置く映像機器メーカーで、最近ではDaVinci Resolveのメーカーとしても有名ですね。
Blackmagic Design Intensity Pro 4Kのいいところ
- 1920×1080/60Pだけでなく4K/30Pの録画にも対応
- 色深度10bit/4:4:4サンプリングに対応(4Kは4:2:2)
- Windows、Mac、Linuxに対応
- コンポーネント、コンポジット、Sビデオ、S/PDIFにも対応
- NTSCだけでなくPALにも対応
- 録画・編集ソフト付属
Blackmagic Design Intensity Pro 4Kの残念なところ
- 環境によっては導入に若干のスキルが必要
- 使いこなすのにも若干の映像知識が必要
- HDCPに反応
4KもHDRもキャプチャーしたい!というハイエンドユーザーの人
4KテレビやHDR対応テレビの価格もかなり下がってきており、今から映像機器を揃えるなら4KやHDRに対応しておきたいという人向けの製品をご紹介します。
Elgato 4K60 S+
”パソコンを使わずキャプチャーしたい人”のコーナーでもご紹介した製品です。
ハイスペックかつPC要らずという万能さもこの製品の魅力ですね。
Elgato 4K60 S+のいいところ
- パソコンキャプチャー&パソコンなしSDカード/USBメディア(HDDなど)キャプチャーの両対応
- 4K/60fps/HDRパススルーに対応
- 4K/60fps/HDR録画に対応
- H.265/HEVCに対応(HDR)
- ヘッドセットを接続できる
- Flashback録画機能(後からさかのぼって録画する機能)対応
- キャプチャーソフト付属(HPからDL)
Elgato 4K60 S+の残念なところ
- Mac、Linuxに非対応
- 配信ソフトが付属しない(サードパーティーソフトには対応している)
- HDCPに反応
Elgato 4K60 PRO MK.2
こちらもElgatoのハイエンド製品で、PCI-Express2.0×4による内蔵&ソフトウェアエンコードタイプです。
Elgato 4K60 PRO MK.2のいいところ
- 4K/60P/HDR(HDR10)パススルー対応
- 4K/60P/HDR(HDR10)録画対応
- ハイリフレッシュレート対応=HFR(ハイフレームレート)録画対応(環境次第)
- Flashback録画機能(後からさかのぼって録画する機能)対応
- キャプチャーソフト付属(HPからDL)
- ロープロファイル対応
Elgato 4K60 PRO MK.2の残念なところ
- Mac、Linuxに非対応
- 配信ソフトが付属しない(サードパーティーソフトには対応している)
- 全ての性能を使いこなすにはそれなりの知識も必要
- HDCPに反応
AVerMedia Live Gamer 4K(GC573)
AVerMediaのハイエンドモデル。Elgato 4K60 PRO MK.2と同様、PCI-Express2.0×4による内蔵&ソフトウェアエンコードタイプです。
AVerMedia Live Gamer 4K(GC573)のいいところ
- 4K/60P/HDRパススルー対応
- 4K/60P/HDR録画対応
- ハイリフレッシュレート対応=HFR(ハイフレームレート)録画対応(環境次第)
- 録画・配信ソフト、簡易編集ソフト付属
- ロープロファイル対応
AVerMedia Live Gamer 4K(GC573)の残念なところ
- Mac、Linuxに非対応
- 全ての性能を使いこなすにはそれなりの知識も必要
- HDCPに反応
Blackmagic Design UltraStudio 4K Mini
Blackmagic Designにとってはハイエンドでもありませんが、かろうじてコンシューマーでも手が届く範囲の製品なのがUltraStudio 4K Miniでしょうか。
Thunderbolt 3を搭載したパソコンに外付けで接続するタイプのキャプチャー製品で、パソコンでソフトウェアエンコードさせるも良し、UltraStudio 4K MiniでH.265にハードウェアエンコードさせることも出来ます。
かなり万能な機器ですが、一般的な使い方では機能を使いこなせませんので、お財布に”かなり”余裕がある方は検討してもいい製品だと思います。
Blackmagic Design UltraStudio 4K Miniのいいところ
- Windows、Mac、Linuxに対応
- SDサイズ~DCIの4K(4096×2048)/60Pまで幅広く対応
- 色深度12bit/4:4:4サンプリングに対応
- Apple ProResやDNxHDにも対応
- 業務用クオリティ
Blackmagic Design UltraStudio 4K Miniのいいところ
- 価格が高い
- 120fpsの様なHFRには対応していない
- 使いこなすには相応の知識が必要
- HDCPに反応
2021年版 HDCP回避製品
最後にHDCPを回避(解除)できる最新の製品をご紹介しておきます。
HDCPにおびえる必要はありません。HDMIキャプチャーボードと一緒に以下の様な製品を購入しておけば安心です。
FireTV StickをHDMIキャプチャーボードにそのまま繋げても動画配信サービスをパソコンモニタに出力できないんですが、以下の製品を買えば簡単に出力できる様になります!
ご注意
製品の仕様やバージョンなどによって挙動が変わる場合があります。自己責任で購入をご検討ください。
HDMIスプリッタータイプ
HDMIキャプチャーボード自体が回避機能を持っていれば、安く済みますし接続もシンプルで便利ですが、HDMIキャプチャーボードを替える度にHDCP回避可能かどうかが気になりますし、HDCP回避機能でキャプチャーボードを選んでいては欲しい機能を持ったボードが選べない可能性があります。
一方でスプリッターを挟むことで遅延が発生するリスクは上がります。ですのでご自身の環境や使用用途、あるいはどちらを優先させるかといった話にはなるかと思いますが、質の良いHDMIキャプチャーボードの大半がHDCP回避を出来ない事を考えますと、HDMIスプリッターの導入をおすすめいたします。
KanaaN HDMIスプリッター
HDCPを回避するHDMIスプリッターとして超定番商品なのがこちらのKanaaN製のHDMIスプリッターです。
迷ったらこれと言うほどの定番製品ですが、4K(HDCP Ver.2.2)にも対応したい方は後でご紹介するDAIAD DHD-S12IHをご検討ください。
AstroAI HDMI 分配器
こちらもKanaaN製スプリッター同様、低価格で利用ユーザーも増えている製品です。
一時KanaaN製スプリッターが品薄になっていましたので、こちらのAstroAI製の製品を購入した人も多いと思います。
4K対応となっていますが、HDCP2.2には対応していませんので、4Kをお考えの方は後でご紹介するDAIAD DHD-S12IHの方が無難だと思います。
DAIAD HD-D312S
こちらも最近評判のいいDAIADのHD-D312S。この辺りは値段や好みでの選択になると思います。
こちらもHDCP2.2には非対応なので注意です。
DAIAD DHD-S12IH
HDCP2.2の回避にも対応している(と噂の)DAIADのDHD-S12IHです。
この製品ではありませんが、他の製品で盤石だと思われていたHDCP2.2も回避され話題になりました。
HDCP2.2を回避できるスプリッターの中で、こちらのDHD-S12IHが現在一番リーズナブルなのでご紹介しておきます。
とは言え、HDサイズのHDCP信号を回避できるスプリッターに比べるとまだ若干高いため、HDサイズだけをご利用の方は先にご紹介した製品で十分でしょう。
動画配信サービスをPCに表示するために
動画配信サービス(VOD)をパソコンに表示させるには、FireTV Stickの導入が一番簡単かつリーズナブルです。
パソコンのブラウザでVODを見る事に不便を感じている人は検討する価値はあると思います。
◆Fire TV Stickについてご紹介しています
-
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Fire TV Stickの本当の魅力【VOD・音楽・スマホをフル活用】
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◆動画配信サービス(VOD)について解説しています
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【初心者必見】VODの種類を完全解説【VOD選びで失敗しないために】
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録画した映像を編集する
最後に、キャプチャー・録画した映像の編集ソフトをおすすめしておきます。
HDMIキャプチャーボードに編集ソフトが付属している場合はそちらをご利用いただくのも良いと思いますが、ソフトが付属していない場合や、付属しているソフトに不満がある人にはペガシスのTMPGシリーズがおすすめ。
本格的に編集したい人
本格的な編集や加工、あるいはHDR素材も扱いたいという人はTMPGEnc Video Mastering Works 7を検討してみてはいかがでしょうか?
◆TMPGEnc Video Mastering Works 7
ダウンロード版は安価でお得です。
パッケージ版はユーザーズガイドが付属しますので、操作にも動画の勉強にも便利です。
簡単に切り貼り編集をしたい人
フィルターやHDRを扱ったりと言った本格的な編集は不要だという人にはTMPGEnc MPEG Smart Renderer 6をご提案します。
画質の劣化を最大限防いだトランスコード機能と、BDAVオーサリング機能(ブルーレイを作る機能)がこのソフトの売りです。
◆TMPGEnc MPEG Smart Renderer 6
詳しくは以下のリンク先でもご紹介させていただいております。
-
-
ペガシスソフト【TVMW7/TMSR6/TAW6】を優しく解説
続きを見る
以上、HDMIキャプチャーボードとHDCP回避製品をご紹介してきました。
ゲームを録画・配信したり、VODをパソコンモニターに出力したり、便利になる事は間違いありません。
是非ご検討してみてはいかがでしょうか?